将来のお子様の学費のために、学資保険に入ろうと考えている人はたくさんおられます。学資保険必要ですね。数ある商品のなかで、どの商品を選ぶかの基準として「返戻率」をあげる人は多いでしょう。
しかし返戻率の高さが、必ずしもお得な商品であるとは言い切れないのです。ここでは返戻率について詳しくお伝えしましょう。
学資保険の返戻率が高いサービスはどれ?
学資保険商品 | 返戻率 |
---|---|
ソニー生命の学資保険 | 104.4~108.0% |
フコク生命「みらいのつばさ | 102.5~105.8% |
明治安田生命「つみたて学資」 | 103.1~105.0% |
日本生命「ニッセイ学資保険」 | 102.2~104.9% |
JA共済「こども共済」 | 101.0~104.2% |
ソニー生命の学資保険
返戻率 | 104.4~108.0% |
ソニー生命の学資保険は高い返戻率が人気となっています。各社とも近年では返戻率が下がっていますが、そのなかでも高い水準を誇っています。
ソニー生命の学資保険には
- 「Ⅰ型」
- 「Ⅱ型」
- 「Ⅲ型」
の3タイプが用意されています。
特に返戻率が高くなるのは「Ⅲ型」で、大学入学の年から22歳満期まで毎年学資金が支払われるタイプで計5回受け取ることができます。
保険料払込期間は10歳、15歳、17歳、18歳と選ぶことができますが、10歳までに払込を済ませてしまえば返戻率は最大の108.0%になります。
保険料払込期間や受取学資金総額は各家庭の状況に合わせることができますので、無理なく支払いできるのは大きな魅力であるといえるでしょう。
フコク生命「みらいのつばさ」
返戻率 | 102.5~105.8% |
フコク生命の「みらいのつばさ」は、高い返戻率が安定して提供されていますので人気となっています。
「みらいのつばさ」には2つのプランが選べるようになっており、
- 「ジャンプ型」
- 「ステップ型」
が用意されています。
「ジャンプ型」は、返戻率が高くなっており大学入学資金を安心して貯蓄することが可能です。18歳において入学祝金として100万円が受け取れ、22歳の満期時にはさらに100万円受け取れるシステムになっています。
「ステップ型」は、大学入学までの間の教育段階において、また成人祝いに学資金を受け取ることができます。22歳の満期時においても支払われますので安心ですね。
明治安田生命「つみたて学資」
返戻率 | 103.1~105.0% |
明治安田生命の「つみたて学資」も返戻率の高さから人気となっている商品です。
「つみたて学資」の最大の特徴は、早期に保険料の支払いが終わるという点。
- 「10歳」
- 「15歳」
- 「一括払い」
から選ぶことが可能です。
いずれを選んだ場合においても、高校入学までに積み立てを終えていることになりますから、かなり余裕を持って貯蓄しておけるというメリットがあります。
総受取額を300万円にすることも可能です。その場合、保険料が割安になりますので、返戻率が1%程度上昇します。
日本生命「ニッセイ学資保険」
返戻率」 | 102.2~104.9% |
日本生命の「ニッセイ学資保険」は、累計契約件数が30万件を突破したという人気の学資保険です。
人気の理由は「選べる2つのプラン」にあります。
- 「こども祝い金なし型」
- 「こども祝い金あり型」
から選ぶことになりますが、特に人気なのは「こども祝い金なし型」です。
「こども祝い金なし型」は、大学入学から22歳までに年1回、計5回の学資金を受け取ることができます。返戻率についてもこちらのプランが高くなっています。
「こども祝い金あり型」は、大学入学までの間の教育段階と大学入学から22歳までの年1回に学資金を受け取ることができます。
JA共済「こども共済」
返戻率 | 101.0~104.2% |
JA共済「こども共済」は累計契約件数が170万件を突破しているという、JA共済が行う学資保険です。
学資保険としては注目度は高くありませんが、年払いで返戻率が高くなりますので人気の学資保険といえるでしょう。
また総受取額を100万円から1000万円までの100万円単位で調整することもでき、18歳から22歳まで毎年1回、学資金を受け取ることができますから安心です。ただし月払いにすると返戻率が低くなりますから、注意が必要です。
学資保険は返戻率で選んではいけない!その理由
学資保険を選ぶ際の基準として「返戻率」をあげる人は少なくありません。ただし単純に返戻率だけで選んでしまうと、受取総額において損をしてしまうこともあるのです。
そもそも返戻率とは
例えば100万円支払って110万円を受け取ったのであれば、返戻率は110%ということになります。100万円支払って105万円を受け取ったのであれば、返戻率は105%ということになります。
ただし返戻率に違いが合っても、利率にはそれほど差はありません。しかしそのなかで返戻率に差が出るのは、受け取るまでの期間や支払う期間に差があることが分かります。
例えば100万円を10歳までに支払い終えるものと、17歳まで支払い続けるものとでは返戻率が変わってきます。10歳までに支払い終えれば、あとはそこから運用されることになりますから、当然返戻率は高くなります。17歳まで支払い続けて、大学入学時から受け取る場合においては運用期間が少なくなるために返戻率がどうしても低くなってしまうのです。
一般的な商品の返戻率は?
生命保険会社が販売している学資保険をさまざま調べてみると、返戻率は103~117%程度となっています。110%を超えるものを見てみると、貯蓄性を重視しており、保険料の支払いについては一括もしくは早期に支払い終えるものが多くなっています。
受け取りについても、大学入学時点から22歳まで毎年受け取れるなど、運用期間が長くなることで返戻率を高くしていることが分かります。そのため返戻率だけで商品を決定するよりは、各家庭の収入状況なども踏まえ検討することが必要になるでしょう。
返戻率だけの比較は無意味?
上記に述べた通り、返戻率だけで学資保険を決めることは、無意味であるとまではいえませんが、それだけで決定することのリスクが生じるように感じます。
例えば115%と105%の学資保険であれば、115%のものを選ぼうとするかもしれません。
しかし一括で支払わねばならない商品である場合、家計の負担をかなり感じてしまうものにもなるでしょう。また10歳までに支払い終えなければならないような商品であっても同様です。
早期に支払い終える資金があるならばそれも有効ですが、あくまで各家庭の収入状況や必要な資金などを検討したうえで決めるといいでしょう。
学資保険で返戻率を高くする方法
- 保険料の支払期間を短くする
- 契約年数を長くする
- 学資金の受け取りを遅くする
返戻率とは「保険料支払総額」に対する「受け取り金総額」の割合のことですので、早期に支払いを済ませ、運用期間を長くしていけば必然的に返戻率は増えます。
保険料の支払期間を短くする
保険料の支払い期間を短くすれば短くするほど、積み立てた資金の運用期間が長くなりますから必然的に返戻率は高くなります。
例えば同じ100万円を払い込むにしても、10歳までで支払い終えるのと、17歳まで支払い続けるのでは運用期間が違うことがお分かりになるでしょう。
もちろん家計の状況によってプランは変わってきますが、支払い資金に余裕があるのならば、できれば一括が最善です。
契約年数を長くする
契約年数が長くなると、資金の運用期間が長くなりますから、返戻率は高くなります。
例えば0歳から支払いをスタートさせるのと、10歳からスタートさせるのとでは当然ながら0歳からのほうがそれだけ長い運用ができることがお分かりになるでしょう。
また早く支払い終えることができるのならば、なお返戻率を高くすることが可能です。
学資金の受け取りを遅くする
学資金の受け取りをできる限り遅くすると、資金の運用期間が長くなりますから、返戻率は高くなります。
例えば大学入学時に全額を受け取るのと、入学時から22歳まで1年に1回分割して受け取れるのでは後者のほうが運用期間がそれだけ長くなります。
分割で受け取る場合には、残った資産で運用を行いますから、それだけ返戻率は高くなるということなのです。
まとめ
学資保険の返戻率についてお伝えしました。
学資保険商品 | 返戻率 |
---|---|
ソニー生命の学資保険 | 104.4~108.0% |
フコク生命「みらいのつばさ | 102.5~105.8% |
明治安田生命「つみたて学資」 | 103.1~105.0% |
日本生命「ニッセイ学資保険」 | 102.2~104.9% |
JA共済「こども共済」 | 101.0~104.2% |
ただし返戻率は高いからすべてお得というものではなく、家計や収入状況に応じた商品を選ぶことが適切だといえます。無理のない範囲で、学資保険ランキングなどを参考に有利なサービスを選ぶようにしましょう。